紆余曲折あった近鉄1016F
近鉄1010系の第6編成、1016Fです
ぱっと見、フツーの1010系ですが、
実はこの編成には過去がありまして・・・
3両編成のうち、先頭2両は
1010系第2編成の1012Fから
中間車は第4編成の1014Fから取り出し、
”ニコイチ”した編成になります
なぜそうなったかというと・・・
近鉄ファンの方はご存じだと思いますが、軽く説明を
(詳しくはWikipediaなどへどうぞ)
1012Fの中間電動車がなぜか同じ場所で
2回も発火するという謎な事故が起こり、
1012Fをそのままにするのは
さすがにまずいということになりました
しかし、1012Fは
近鉄お得意のB更新を受けており、
新車並みの内装になっていました
2回も燃えたのは中間電動車だけ
ということは先頭車は悪くない
・・・更新車捨てるのもったいなくね
というわけで1012Fの中で問題のあった
中間電動車のみ脱車
かわりに未更新車の同型車1014Fから
中間電動車だけ持ってきて1012Fに挿入
1012Fの先頭車(更新済)+1014Fの中間車(未更新)で
新たに1016Fと名乗ることになり、
1016Fが誕生しました
ちなみに、残った1014Fの両先頭車は廃車
この転配の犯人である1012Fの中間車は
電装解除され、奈良線の8600系に組み込まれています
2回も火を出した犯人の1012Fの中間車は
電装解除されながらも生き残った一方、
全く関係のない1014Fの先頭車が廃車に・・・
ちなみにB更新を行っていない編成を含め、
この時に廃車になった車両以外に
1010系の廃車は未だ出ておりません
1012Fの中間車が大人しかったならば、
1014Fの先頭車もまだ生き残っていたことでしょう
彼の思いはいかばかりか・・・
涙を禁じえませんね
ただ、ぞの不幸なる1014Fの生き残りである
現1016Fの中間車にその名残があります
こちらが1012F由来の先頭車です
B更新時に一部の窓が大型の1枚窓になっています
一方、1014F由来の中間車
現在ではB更新を受け終わったようで
先頭車と大きな違いはありませんが、
こちらは大型1枚窓化がされず、原型を留めています
さらによーく見ると
ドア上の雨避けの形状が異なることがわかります
さらっと見たら、フツーの1010系3両編成ですが
わずかながら、元は違う編成だったことの名残を留めています
不幸にも早くに廃車となってしまった
(近鉄1010系の中ではの話。ほかの会社ならば十分長寿命)
1014F先頭車の分まで
1016Fには頑張ってほしいなと思います