マルーンの部屋

東海、関西地方の鉄道とバスのブログ

天然ガスで走るバス①

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四日市三重交通に2台のみが残る、

いすゞエルガ「CNG車」です

 

Compressed Natural Gas、略してCNGでございます

一応、直訳しときますと「圧縮された天然のガス」です

 

屋根の上に乗っかっている立派な箱がそうです、

”ブツ”でございます( 一一)

天然ガスのボンベが入っております

 

通常使われるディーゼル(軽油)の代わりに

「”比較的”環境によい、天然ガスを使おう!!」

というわけで作られたこの車両

 

しかし、

「車庫に給油設備はあるけど天然ガスなんてねえ!!」

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「どっか他のところで入れてこなければならない」

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「使いづらい!!!!!」

 

ということもあり、思ったより普及はせず・・・

 

 

そうこうしているうちに、

天然ガスも結局環境にいいわけではないよね」

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「電気のほうが環境によくね??」

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「電気だけだと不安だから軽油と電気のハイブリッドなら

 いい感じじゃね??」

 

というわけでハイブリッドバスが台頭

(これなら軽油なので、もちろん車庫で給油可能)

 

 

そして天然ガスのバスにとどめを刺したのが

通常のディーゼル車の環境性能の向上でした

 

規制によりどんどん環境にやさしくなり、

天然ガスとの差が小さくなっていきました

 

ハイブリッドバスはお値段が張るので

まだ天然ガスにもメリットはありましたが、

通常のディーゼル車に対してだと歯が立たず・・・

 

めちゃめちゃ環境に気を使うならハイブリッド、

お値段の面なら高性能になった通常のディーゼル

天然ガスの出る幕はなくなってしまいました

 

というわけで、いすゞエルガは2017年に

天然ガスを燃料とする仕様を廃止しました

 

ふそうや日野なども同様に廃止したので、

天然ガスのバスは製造されなくなりました

 

さらに、天然ガスを入れる”ブツ”は

法律で耐用年数が12年だったか15年だったか定められており、

それ以降も使うなら交換しなければならないのですが

バス本体の寿命がおおよそ20年であることから

ガスボンベが交換されることは少なく、

同僚のディーゼル車がバリバリ働いているのを横目に

そのまま廃車になってしまうことがほとんどでした

 

・・・となると、車体にとっては「早期廃車」の部類であり、

「本当に環境にいいのか?」という議論にもなりました

 

それにディーゼルならば

地方のバス会社に譲渡されることも多々ありますが、

わざわざ「天然ガスのバスくださいっ!」となるわけもなく

ほぼ確実に解体の道をたどりました

 

 

すべての会社で生産が終了されたことと

ほぼ確実に早期廃車される&譲渡されることはめったにない

以上より、現存のCNGバスはかなり貴重になっています

 

つづく