マルーンの部屋

東海、関西地方の鉄道とバスのブログ

近鉄名古屋線急行用車両のトイレ位置を考察する

 

先日のこちらの回でちらっと触れた、名古屋線のトイレ位置の話です

 

marunkun.hatenablog.com

 

 

名古屋線は種別によって使用車両をある程度固定しており、

急行にはトイレ付き4両編成を使用します(大体2両編成を増結)

朝夕には一部例外もありますが、ほぼ全部です

 

基本的な系統は名古屋~松阪、五十鈴川間ですが

20分おきの運転が基本なので、そこまで車両数は多くなく

トイレ付き4両編成は20編成が所属しています

 

が、そこは近鉄です(>_<)

20編成の内訳⇩

 

・5200系・5209系・5211系

・2610系LC・2610系ロング・2800系LC

・5800系・1400系・ゲテモノ

 

とまさかの9種類Σ(゚д゚lll)

 

でも、さすがに車庫での抜き取り設備とかの都合もあるから

さすがにトイレの位置は合わせるでしょう

 

広い路線網で多種多様な車両を持つJRでも

大体どっちかの先頭車の中間寄りと相場は決まっています

 

だったらこんなブログ記事は成立しないわけで(^-^;

ぐっちゃぐちゃです(笑)

 

答えは4パターンΣ(゚д゚lll)

たかだか20編成で4パターンって(-_-;)

さすが近鉄です!

 

では、ひとつずつ見ていきましょう

 

 

①5200系シリーズ(00系・09系・11系)

 

正確には3つに分かれている形式ですが、

台車の違いとかで形式を分ける近鉄スタイルなので

見た目的・フツーに乗ってる分には全く変わりません

 

 

言わずと知れた3扉(ほぼ)オール転換クロスシートの豪華車両です!

近鉄一般車の最高傑作と言っても過言ではありません!!!

 

名古屋線ではライバルのJR快速みえと張り合うために多めに導入

現在は9編成が名古屋線に所属しており、急行車の最大派閥になります

 

ただ、この車両の豪華ポイントは今回の本題であるトイレにも及び、

4両中、両先頭車にそれぞれトイレを配置!!

 

豪華設備を活かして貸切運用にも入ることを考慮し、

特急車並みの2両に1トイレとなりました

 

中間2両をモーター車とするTMMTの構成で、

付随車である両先頭車の中間車側にトイレを配置しました

JRとかでもよくある配置ですね

 

 

 

②2610系、2800系、5800系

 

5200系に次ぐ主力と言える、LCカーを中心とするグループです

名古屋線のLCカーは全部このグループに入ります

 

伊勢方から2両目の後方にトイレが設置されています

乗務員室に近い先頭車に配置したがるJRとは対照的に

編成のど真ん中に置いた形です

 

これらの編成群は伊勢方からMTMTの配置となっていて

4両完全固定の考え方の5200系と対照的に

中間車を出し入れして自由な両数を組めるようにしてあります

(2800系は2、3、4両:5800系は4、6両があり)

 

さらに、2610・2800系の世代では乗務員室の有無で

ドア位置が変わらないように、2両編成をつなげまくった時に

乗務員室がかぶる位置の車端部を長くするというルールがあり、

4両編成の場合は中間車同士が向き合う部分がその対象になります

 

やっぱりトイレをつけるとするならば、

ドア周りの混雑を考えてもゆとりのあるところがいいので

長い車端部につけたい

やっぱりトイレは床下に余裕のある付随車でしょ

結論として、伊勢方から2両目後方!ということでしょう

 

 

製造時から長距離用としてトイレ付きで製造された2610系をベースに

ほぼ同型車でトイレなしの2800系(の一部)が

後からLCカー改造される時に、同じ場所にトイレを設置

その系譜を引き継ぐ5800系も踏襲しました

 

なので2800系だけは後付け改造になります

が、鋼製車なので違和感なく、後付け感はありません

 

また、最近転入してきた唯一のロングシート2600系である

2617Fも同じトイレ位置となっていますので

LCカー全部と2617Fがこの位置になります

 

2610系LC×3

2800系LC×3

2610ロング×1

5800系LC×1

の合計8本がこの位置になります

 

 

 

③1400系

 

ちょっと新しい近鉄の顔で初期の世代(=VVVFを積んでいない)の

4両編成の車両になります

4両4編成が作られたものの、何を考えたのか1編成のみトイレ付きに

 

さらに2両でワンセットのモーターを載せたことで

隣り合う車両にモーターを載せる必要が出てきてしまい

(反例:かつての阪急6000系)

かといってMMTTにするとバランスが悪いので(反例:311系)

中間車を電動車にするTMMTという構成になりました

(5200系と同じです)

 

で、中間車にモータが居座るので、トイレをつける余裕がなくなり

追い出されたトイレは伊勢方の先頭車(後方)に配置

まあ、JRらしい配置で特に違和感はありませんが(^-^;

とりあえず近鉄では異端もいいところです

 

何本も作った中で1編成にだけトイレを設置して

さらに従来車と違う位置にトイレをつけるという

なかなか個性的な計画です

 

で、使い勝手が悪かったのか知りませんが名古屋線左遷転属

 

本来はトイレなしの近距離用の形式ですから当然ロングシート

ただ、トイレがあるので「名古屋線急行向けじゃん!」ってことでしょう

昼間に当たるとハズレ車両です

 

結局、この1編成以外にこの位置にトイレが来ることはなく

(強いて言えば5200系も考え方は同じですが・・・)

お腹が緊急事態に陥った人にとっては、ただのいやがらせです

 

 

④1200・2430・2410系混結(ゲテモノ)

 

最後は言わずと知れた名古屋線のアイドルFC92、93です!

 

 

反対側の顔(左)、別車体がつながる中間部分(右)です

 

詳しい諸兄には不要な説明でしょうが念のため解説をーーーー

 

↑名古屋方

 かつて1両単位で増結車をつけていた時の車両である

 モーターのついていないボッチ先頭車2410系が余剰となる

 +

 4両編成車を3両化するときに脱車された中間電動車2430系

 (この車両はモーター車1両で回路が完結する)

 +

 新製中間付随車1200系

 +

 新製先頭電動車1200系

↓伊勢方

 

で、この車両における考え方としては

余った2両に追加で2両を新製して、4両固定編成を作るのではなく

古い2両編成+新しい2両編成ー中間の運転台なし

といったものが近いのかなと思います

 

結局、余ってる2両は型落ちなので

無理して古い性能の車両を新製するよりは

今作っている新車と同じの方がいいよね

⇒2両編成の当時の新車(現1201系)から

 いらない併結側の運転台を取り除いたものを付けよう!

 

なので足回り的には

1200系2両編成+2430系単体+おまけ2410系

って感じと言えます

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

で、話を戻しますと

今回の2410系はただの増結先頭車、

2430系は近距離用の車両ってことでトイレは非装備

 

ってなると、1200系の2両のどっちかにつけることになりますが

先頭車はモーター付きなので不可

⇒中間車につけざるを得ない

ということで伊勢方から2両目にトイレが付くことになりました

 

 

・・・ということは②のLCカーたちと一緒では??って感じですが

残念ながら近鉄さんはそこまで甘くなく

 

②のタイプは2両目の伊勢方に向かって後方(=3両目寄り)ですが

この子たちの場合、2両目と3両目は新旧が交わる部分↓

 

 

ここらへんは想像の範疇になりますが(あってると思うけど・・・)

新旧で制御方式も違うので、読み替え装置などがこの併結部分にあり、

それらが邪魔でトイレが置けなくなったのではないかと考えられます

 

先ほどの制御方式の違う2両編成が併結しているけど

中間の運転台が省略されたって考え方にもつながる配置だと思います

 

で、写真でもわかるかと思いますが、追い出されたトイレは

2号車の逆側(伊勢寄り=1号車側)に配置されました

 

②のところでも説明しましたが、1-2号車の間は車端が狭めで

かなり窮屈なトイレ配置に見えます

戸袋部分がトイレになっていて、かなりがんばった感じがします

 

このタイプはこのゲテモノ2編成のみですが

5200系を除く多数派の2両目にトイレというところは共通しており

位置が真逆になっているという違いですが、

ロングシートなので車内を見渡しやすく、比較的わかりやすいかなと

 

 

で、おまけなんですが、先日2617F(トイレは②に該当)と

トレードで名古屋線を離れた2817Fですが、こいつもクセモノ

 

基本的には(LC改造された個体除く)トイレなしの2800系ですが

2817Fの1編成のみロングシートのままトイレ設置改造がなされ

FC92、93と合わせようとしたのか知りませんが

ほぼ同型車両の2610系や同期の2800系が前述の通り②の位置に

トイレがある中、④の位置に設置

 

ロングシートで④の位置にトイレという同仕様が3本になりました

バスはよく2運用1予備で3台ワンセットをよくしますが

こちらは運用が独立しているわけでもないので意味がない気が・・・

 

ただ、ともかくこのトイレの位置の車両は3本とも名古屋線にいたのに

なぜか2817Fだけ大阪線へ転属

大阪線のトイレパターン数だけが増えて、

掃除の人が大変になっただけな気がします

 

 

先ほどの写真でもトイレの位置がわかるかと思います

・・・が、よくお気づきになられました!

 

FC92、93の写真を見比べると、あちらは海側にトイレがあるのに対し

2817Fは山側にトイレが設置されていますΣ(゚д゚lll)

 

なんとも芸の細かい(^-^;

そんなところで他の同期(=②パターン)と共通点出さなくても・・・

 

 

こんな細かいネタで3500文字をオーバーしました

近鉄おそるべしです(^-^;

でも、JRと違って趣味者のブログとか情報が少なくて

謎が多いんですよね(笑)

こわいこわい

 

 

 

最後に4000文字超えるようにまとめておきましょう

(伊勢方を前方とします)

 

5200系列 転換クロスシート      (9本)

 1両目後方山側&4両目前方山側

 

2610系 LCカー           (3本)

 2両目後方山側

 

2610系 ロングシート         (1本)

 2両目後方山側

 

2800系 LCカー           (3本)

 2両目後方山側

 

5800系 LCカー           (1本)

 2両目後方山側

 

1400系 ロングシート         (1本)

 1両目後方海側

 

混結編成 ロングシート          (2本)

 2両目前方海側

 

(転属済み)

2800系 ロングシート         (1本)

 2両目前方山側