2ドアクロスシートの普通車が完全に消えて、はや半年
時が過ぎるのは早いと実感します
昭和の時代の名鉄が目指していた
クロスシート車による着席通勤
これを目指して作られた最後の車両が
5700、5300系でした
東京や大阪の人は驚くかもしれませんが、
このような車両がラッシュ時でも
堂々と来ていたのです
(晩年はできるだけ朝夕の運用に配慮あり)
実際問題、オイルショックの前までは
クロスシート車による着席通勤という目標を
掲げることができる程度だったわけです
(その後は混雑の激しさから3ドアロングシートに)
座れれば、何と快適な通勤でしょうか
転換クロスシート車といっても
他の多くの車両では、
運転席の後ろが立席スペースやロングシートに
なっていますが、
転換クロスシートが続いていて、
前面展望ばっちりでした
特に右側の席は親子が座れるよう、
2,5人掛けになるように
座席の幅が拡大されているのです
何と思いやりにあふれた車両でしょうか
通勤ではなくても、
この電車だと、特急に乗ったような
感覚にさえなります
逆に最新の特急の普通車部分は
半分ロングシートになるなど
特急よりもこちらの方が、
特急らしいなと思えるほどでした
その設備の良さから
昔は指定席車の他系列編成と併結して、
晩年は指定席を連結しない自由席のみで
それぞれ特急運用にも充当されていました
が、晩年は2ドアによる乗降時間の増加や
ドア数、足回りによる他系列との併結不可など、
使い勝手の悪さが目立つようになり、
普通運用が多数を占めていました
また、5300系の一部は
側面方向幕の行先のコマ数が足りず、
ないコマの場合は行先が白幕でした
なんと「名古屋」幕もないという衝撃
阪急車両で「梅田」、新幹線で「東京」幕を
持っていないに等しい暴挙です
そんな5700、5300系も
まだ先輩の6000系が多数
活躍しているにも関わらず、
特殊さが災いし、廃車が進み、
半年前に全廃されました
パノラマカーがいたころは
陰に隠れていましたが、
最後に大きな花を咲かせて
去っていったように思います
いまさら、このような豪華な車両が
作られるとは到底思えませんが、
少しでも彼らの魅力を受け継いだ車両が
出てくることを期待しています


最後に・・・
1編成だけ先頭車化改造された車両がいました
5600系と区別して呼ばれることもありました
左は通常の車両で、窓はありますが、
右の改造車は窓がないという違いがあります
改造車はこの部分がイスがなく、
立席スペースになっているので、
これが来たときはがっかりしました
というのも過去の話になりました