マルーンの部屋

東海、関西地方の鉄道とバスのブログ

三重交通の「いすゞエルガ ノンステップtype-B」

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全国どこでも見られるいすゞエルガ、ノンステップバスです

 

・・・で、1投稿分を終わらせる横着を

したいというわけではございません(^-^;

 

そこまで来たらこのブログも末期なので

察してあげてください( 一一)

 

話をこの写真に戻しまして(。-`ω-)

いつでもどこでも見られるいすゞエルガですが

後ろの方にご注目いただくと、窓が最後尾までつづいておらず

白いパネルがはめられているのがわかるかと思います

 

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水色で囲った部分です

 

いつでもどこでも見られる車は↓

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最後部まで窓が続いています

 

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外観ではこれだけのわずかな違いですが、

たまたま違うならば、わざわざ取り上げることはございません

ここが違う車両は構造自体も大きく違うのですΣ(・□・;)

 

まずはお名前から、

製造元のいすゞのつけた名前で

左の白いパネルがある方が「type-B」

窓が最後まで続いている方が「type-A」というそうです

 

いつも見慣れているこの顔のバスは

基本的にAのほうだと思ってもいいくらい圧倒的多数派です

(なのでBが撮れただけで1投稿分に仕立てました)

 

にわか知識ながら構造を描いてみました

 

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まずは多数派の「A」の方です

 

紫と赤で描いてありますが、

紫のラインはおおよその床の位置を示しています

一方の赤色はエンジンが鎮座している部分を表しています

 

扉の間はみなさんご存じの通り・・・

というか、その名の通りノンステップバスなわけですから

ノンステップです( ・´ー・`)

 

一方の中扉より後ろ側はエンジンを避けるため

段差が付けられており、ノンステップではなくなっています

 

(後輪の前にもエンジンが出っ張っているかもしれませんが

おおよそはこの絵で問題ないはずです)

 

「ノンステップ」であることを要する

車いすの人やお年寄りは前部の車いす席や優先席に行くので

後部まで無理してノンステップにしなくてもいいという

合理的な発想です

 

こうすることでエンジンの上も客室にすることができ、

効率的に乗客を入れることができます

 

最近走っている多くのバスはこのような感じになっています

 

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後ろにパネルがある、「B」の方です

 

先ほどの「A」の方は後方下部にエンジンがありましたが

こちらは上下方向に広げた上でさらに後ろに寄せてあります

ちょうど90度向きを変えて立たせた感じです

 

そうすることで邪魔するもの(主にエンジン)がなくなり、

中扉より後ろもわずかに傾斜がついている程度で

ノンステップのままにできるというメリットがあります

(ただし、座席はタイヤの上にあったりするので

通路はノンステップでも座席は1段上にあります)

 

一方のデメリットとしてはエンジンを上下方向に置くことで

一番後ろまで客室にすることができず、

少し狭くなってしまうことが挙げられます

(=白いパネルの部分が客室として使えなくなる)

 

具体的には座席1列(4席)分「A」に比べて狭くなります

 

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2つのタイプを並べてみます

 

まとめるとエンジンを寝かせることで

中扉以後は「ノンステップ」ではなくなるものの

一番後ろまで客室にできる「A」と

エンジンを立たせることで後部までノンステップを

維持し続けられる「B」ということになります

 

 

と、2つのタイプが並立していたのですが、

「A」の方がエンジンなどの構造が

ワンステップバスなどに近く一般的だったのに対し、

「B」の方は特殊な配置をしていて無理がありました

 

さらに車内の床の傾斜角度の規制が厳しくなり

後部の「斜めになった床」との両立ができなくなったことが

トドメとなり、「B」の方は生産を終了してしまいました

 

両立していた時期でも特殊な構造を嫌って

「A」の方が多かったのに加え

2005年に「B」が生産を終了してしまったため、

現在では「B」を見ることがほとんどなくなっています

(さらに特殊な構造から故障が多く、早期廃車も多い)

 

比較的寿命の長い三重交通でも

「B」の車両は廃車が進行しており

四日市営業所にも数台しか残っていないようです

 

他の営業所にはより経年の高いツーステップバス

まだまだ残っている中で廃車になっているので

なかなかに使い勝手に難があるのでしょう

 

ぱっと見は大して変わらないノンステップバスですが

地味に風前の灯火になっているので

できるだけ重視して撮るようにしています(。-`ω-)